授業風景紹介<3年生 地域探究>
今回は、3年生の選択科目地域探究の紹介です。この科目は、2年次の選択科目であるソーシャルデザインを基礎としており、両科目とも地域と連携した探究活動をとおして地域の課題を見つけ、解決のための方策を高校生の視点から考えることを目標の一つとしています。そのため、どのような課題を設定するかはグループによって異なり、毎年様々なテーマが生徒によって立ち上げられます。ここで紹介するのは、佐渡の植物に関心を持ってもらうことをテーマに、そのための具体策として「植物を加工して、それを製品化しよう!」と考えている生徒2名の取り組みです。
2年次のソーシャルデザインでは、アルコールやエーテルなどの有機溶媒を使って植物から香り成分を抽出し、香水の作成を試みました。しかし、余計な成分まで一緒に抽出されてしまったり、溶媒そのものの臭いが強くて香水にならなかったりなど、様々な問題にぶつかり、修正を余儀なくされてしまいました。そこで、3年次の地域探究では製品化の目標を香水からルームスプレーに変更し、抽出ではなく水蒸気蒸留という方法で香りを取り出すことにしました。しかし、水蒸気蒸留を行うための装置が学校にはありません。実験は、まず装置を作るところから始まりました。
どうすれば効率よく水蒸気を冷やし、ロスなく香りを回収できるか。試行錯誤の末にたどり着いた装置を組み立て、実際に稼働させてみました。水蒸気は期待通りに冷却され、取り出し口から出てきましたが…、においを嗅ぐと原料の植物からは想像もつかないような悪臭が!(泣)
どうやら、加熱が強すぎて成分が分解してしまったようです。またしても新たな壁にぶつかってしまいました。
このようにうまくいかないことも多いですが、探究は試行錯誤の連続です。自ら課題を見出して解決する能力を伸ばしたい方、羽茂高校に入学して地域探究をぜひ受講ください!